個人再生の
解決事例

関東在住case29

ご依頼者様の基本情報

I様/30代/男性/関東在住/会社員

受任前の状況

事情

I様は、長年パチンコやスロットなどのギャンブル資金のため、借入を繰り返していましたが、さらに数年前から、FX投資にのめり込んでしまいました。当初は、100万円程度の利益が出ることもありましたが、利益のすべてをさらに投資につぎ込んでしまうようになりました。
その後、円高が進んだ時期に、300万円程度の損失を出してしましました。この損失を埋めるため、知人を含めた方々から2000万円近くの借入をしてしまい、返済が困難となりました。
一度、司法書士に依頼をして、任意整理をしましたが、奥様が働けなくなったこともあり、和解に基づく返済まで困難となってしまいました。なお、知人に対する借金は、受任前に親族がすべて第三者弁済をした経緯がありました。

収入・資産の状況

収入:月額28万円(ほか賞与年2回、各40万円程度) 資産:特になし

負債の状況

借入先 借入残高
A社 336,000円
B社 688,000円
C社 1,062,000円
D社 115,000円
E社 263,000円
F社 2,737,000円
G社 467,000円
H社 3,109,000円
親族 18,357,000円
合計 27,134,000円

受任前に、司法書士に依頼をして任意整理手続をしていたため、返済はストップしていました。

受任後の状況

個人再生後の返済状況

借入先 認可された弁済総額 3か月毎の返済額
A社 37,000円 1,800円
B社 76,000円 3,800円
C社 117,000円 5,900円
D社 13,000円 一括返済
E社 29,000円 一括返済
F社 303,000円 15,100円
G社 52,000円 2,600円
H社 344,000円 17,200円
親族 2,030,000円 101,500円
合計 3,001,000円 147,900円

コメント

親族に対する求償債務が総債務の大半を占めるという特殊な案件でした。
親族は手続に反対するおそれはなく、小規模個人再生の方針を採る上では、反対の可能性がなかったのですが、まず借入をしていた知人の人数が相当数存在し、書類を交わしていないものもあったため、親族が第三者弁済をした金額を確定することに相当時間がかかりました。
また、I様の名義で、親族が出捐をしてかけていた保険の解約返戻金(約180万円)がありましたが、これを清算価値に計上するかについて疑義がありました。
申し立てをした裁判所は、通常、個人再生委員を選任しない扱いを採っていましたが、本件の特殊性から、個人再生委員が選任されました。
個人再生委員による調査の中で、やはり上記のとおり、親族が第三者弁済をした金額、親族がかけていた本人名義の保険の扱いが論点となりました。前者については、詳細な報告の結果、金額が確定し、後者についても、保険金を親族がすべて支払った経緯、当該保険について本人の税額控除がされていないこと、そもそも直近まで本人が当該保険の存在を知らなかったことなどから、清算価値には計上されない扱いとなりました。
手続は問題なく進行し、再生計画は認可され、2700万円を超える債務は300万円まで圧縮され、5年間で、3ヶ月ごとに約148,000円(月額換算約5万円)を支払うことになりました。