個人再生とは

弁護士と司法書士の違いは?

代理権の範囲

インターネット等で「個人再生」や「自己破産」といったワードを検索すると、弁護士だけでなく、司法書士の広告やホームページがたくさん表示されると思います。

また、そこから司法書士のホームページへ移動して閲覧しても、その内容と、弁護士のホームページに記載されている内容に違いがない、もしくは違いがわかりにくいといったケースが多々あります。

しかし、実際には弁護士と司法書士には大きな違いがあるのです。

ご存知のとおり、弁護士には地方裁判所や家庭裁判所など全ての裁判所で代理権が認められていますので、お客様の代理人となって個人再生の申立を行うことができます。

ところが、司法書士には、地方裁判所において代理する権利が認められていません。司法書士の中には、裁判所での代理権を有している者(認定司法書士)もいますが、それはあくまで簡易裁判所限定の代理権であって、地方裁判所で取り扱われる個人再生では、司法書士はお客様の代理人となる資格がないのです。

もちろん、司法書士であっても、申立書の作成や可能な範囲のサポートをすることは可能ですが、裁判所における扱いは、お客様が自ら申立てを行う場合(本人申立の場合)と大差がありません。

すべてを任せるなら弁護士!

弁護士は、司法試験に合格し、同期の裁判官や検事と共に司法修習で研鑽を積んだ法律のエキスパートです。

常に最先端の法律知識や情報に触れることができる環境に身を置いており、個人再生というひとつの手続でも、様々な状況に的確に対処できる豊富な経験とノウハウを兼ね備えています。

このため、受任時には想定できなかったような状況に遭遇しても、完全な代理権を持つ弁護士であれば、単なるアドバイスにとどまらず、代理人として直接対応をすることができるのです。

これに対し、司法書士は、認定司法書士であれば、簡易裁判所での代理権が認められていますが、主要な業務は、登記や供託手続の代理業務や、裁判所・検察庁・法務局に対する書類の作成業務です(司法書士法第3条、第29条)。つまり、司法書士は、個人再生のように、地方裁判所が取り扱う案件については、その対応力が弁護士には遠く及ばないといえます。

このため、個人再生に限らず、司法書士で対処不可能な事態に陥った場合には、代理権の範囲の関係上、弁護士と同程度のサポートを望むことはできず、再度、他の弁護士に依頼しなければならないというケースが出てくるかもしれません(実際、当事務所にも同様な相談があります)。

このように、もし個人再生の手続をすべて任せたいということであれば、弁護士に依頼する以外に選択はありません。